素敵な装丁 / 2014年9月前半

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こんにちは。
今週から、隔週くらいを目安に本屋で見かけた素敵な装丁を紹介していこうと思います。
少なくとも週に一度は書店にいっているはずなので、そのときに良いと思った本を備忘録も兼ねて残しておけたらという魂胆です。
一回の更新につき、3〜5冊くらい書いていければと思っていますが、果たしてそんなにうまくいくのでしょうか…
また、”今週発売された書籍”というよりも、”今週見かけた書籍”というかたちになるので、発売が古いものも含まれると思います。また、ネタがなくなったら自分が素敵だと思って購入した書籍からも引っ張ってこようと思っています。
はじめから言い訳ばかり書いてしまいましたが、よろしければお付き合いください。

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いなくなれ、群青 / 河野裕

いなくなれ、群青 (新潮文庫)

先月末に発売された新潮文庫の新レーベル”新潮文庫nex”から一冊。
ところどころ欠けてしまった明朝体が、小説のテーマと合致していて、読み終えてから”なるほどな…”と思わずにはいられませんでした。
また、”い”と”青”の部分が他の文字よりも大きく、ぼかしがかかっているのも特徴です。
“視認性や読みやすさ”といった文字本来の使い方というよりも、デザイン全体としてのバランスを重視し、”オブジェクトの一つとして”文字を置いたのかなという気がします。

同レーベルの書籍自体のデザインは以前こちらに書きました。よろしければ。

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運命の女の子 / ヤマシタトモコ

運命の女の子 (アフタヌーンKC)

惚れ惚れするような装丁です。
表題と女の子の目の部分に赤の箔が入っていることで、ぱっと見では淡い色を使った女の子のイラストなのですが、不思議な違和感を感じる仕組みになっています。
また、見ない人も多いであろうカバー下に特色で銀が使われていました。
この辺りのこだわりも非常に素敵ですね。

政と源 / 三浦しをん

政と源

こちらもタイトル部分に赤箔が使われていたのですが、それよりも目を惹いたのは”イラストとタイプロゴの組み合わせ”でした。
カバーのイラストや著者名に使われている明朝体の純日本な雰囲気と、判子をモチーフに(多分)しながらもゴシック体をベースに用いた無機質でスタイリッシュなロゴの組み合わせがとてもクール。
そして、真ん中の”と”の文字が明朝体とゴシック体のちょうど中間みたいで可愛いです。

死にたがり少女と食人鬼さん / Oはぎ

死にたがり少女と食人鬼さん

タイトルのおどろおどろしさの逆をいく可愛らしい装丁。
お皿の中心で寝る少女と、その両端にあるフォークとナイフがタイトルの要素をしっかりと表しているものの、背景の星空や、タイトルに使われている丸ゴシックとその色使いが、とても暖かく・可愛らしい印象を持たせています。
タイトルからは想像できないような暖かい作品なんだろうなという予想ができますね。

IVANTITY [アイバンティティ] -これが私の生きるRUNWAY(みち) / IVAN

IVANTITY [アイバンティティ] -これが私の生きるRUNWAY(みち)-

元パリコレモデル・IVANの自伝的ゴシップエッセイです。
画像だけだと伝わりにくいのですが、つくりが外国の書籍っぽいです。
カバーではなく厚紙に印刷してコーティングみたいな…
“This is may way of life.”の重ね方や、左上の円形など、デザインもどこか外国っぽいですね。
表紙がIVANだから可能なのでしょうか。日本人顔で同じ装丁にしてもここまでの外国っぽさはでなかったと思います。
マゼンタとイエローという原色を使った色使い相まって、タレント本コーナーのなかで、ひときわ目立っていました。

最後に…

いかがでしたでしょうか。
書店に訪れると”素敵だな”と思う装丁は沢山あるものの、いざ”具体的に何が素敵だと思った”のかを文章にしてみるのは意外と難しいものですね。
「このデザインにした理由をちゃんと説明できないといけない」と、以前の会社で先輩デザイナーから教えていただきましたが、
それはさておき、こんな感じでゆるゆると更新していけたらなと思います。
もしよろしければ、次回もお付き合いください。
また、「この本の装丁が素敵だったよ!!」などがあればツイッターなりでご連絡いただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。

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