コンプレックス・エイジという漫画を読んだら胸が痛む。

complexage

第63回ちばてつや賞で入賞された佐久間結衣さんの「コンプレックス・エイジ」という漫画が辛いです。
とても心が痛いです。

結婚生活2年目、34歳の佐和子は、職場に内緒で、ゴスロリの服を着る趣味があった。
今まではその趣味を貫いてきたが、年齢を重ねるにつれ、以前のように服を楽しめていない自分に気が付き――。
佐久間結衣『コンプレックス・エイジ (第63回ちばてつや賞入選)』

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感想

全体として絵も素敵ですし、内容も良い具合にデフォルメされていて読みやすかったです。

そして、途中まではとても胸にくるものがありました。
少し人には言いづらい趣味や嗜好の方は共感出来る部分も多いのではないかと思います。
特に年齢を重ねるごとに周りに公言できないような趣味の方は特に。

そして途中までで胸が痛くなりすぎて、クライマックスであるはずの森で衣服を燃やすシーンがあまり印象に残らないという・・・
良くも悪くも後半はスラッと読めた気がします。

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記号としてのゴスロリ

他の方のエントリやらツイッターでの反応やらを見ていたら、
作者のゴスロリに対しての描き方について書いているものが多かった気がしたので、自分もそちら方面で感じたことを書いてみようと思います。便乗です。

これが本当にゴスロリの生態(?)に基づいたものだったら、少し深すぎて理解の出来ない部分が多かったのではないかと思います。
もともとゴスロリ文化にある程度の理解のある方などには少し薄っぺらく感じるのかもしれないです。

そのため、卒業するものがゴスロリである必要があるのかという話になるのですが、
印象としてはゴスロリに重きを置くというよりも、年齢からの卒業(引退)に主題を設定しているように感じました。

良い歳をした大人が、小さい頃からの趣味を続けることに疑問を持ち始め、
世間の目や下の世代からの侮蔑、肉体的な衰えなどを受けて、卒業することを決意する。

抜け出さないといけないものを記号化したものが今回の「ゴスロリ」なのかなと思います。

言い換えれば、ゴスロリ自体にとても深いメッセージ性があると言う訳ではないと感じましたし、
もっと言えば、漫画の最初の方に出てきた30歳のアイドルが主人公になっていても同じ様なことを感じ、胸が痛くなったのではないかと思います。

今のところで無料で読めるので、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか。

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